大腸がん検診の検査法をどう選ぶか|池田市の内科・消化器内科(内視鏡)・肛門外科|たむら内科・消化器内視鏡クリニック

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大腸がん検診の検査法をどう選ぶか

大腸がん検診の検査法をどう選ぶか|池田市の内科・消化器内科(内視鏡)・肛門外科|たむら内科・消化器内視鏡クリニック

2026年9月09日

このコラムでは、2026年の米国がん協会(ACS)で発表された大腸がん検診に関するガイドライン1)で示された大腸がん検診の検査法を取り上げます。便検査、大腸内視鏡検査、CTコロノグラフィ、そして新しく注目されている便中RNA検査や血液検査には、それぞれ利点と限界があります。大切なのは、検査の特徴を理解し、陽性時には必ず精密検査につなげることです。

主な検査法と推奨間隔

  • 高感度便免疫化学検査(FIT):推奨間隔は毎年。自宅で実施でき、比較的低コストです。継続して毎年受けることが重要です。
  • 高感度グアヤック便潜血検査:推奨間隔は毎年。便中の血液を調べる検査で、複数回の採便や食事・薬剤制限が必要な場合があります。
  • 便中DNA検査(従来型または次世代型):推奨間隔は3年ごと。便中の血液と分子マーカーを組み合わせて判定し、大腸がんに対する感度が高い検査です。
  • 便中RNA検査:推奨間隔は3年ごと。便中のRNAマーカーと便潜血情報などを組み合わせる新しい在宅検査で、大腸がんには高感度、進行前がん病変には中等度の感度を示します。
  • 大腸内視鏡検査:推奨間隔は10年ごと。大腸全体を直接観察でき、ポリープ切除も可能です。検診と予防の両面で重要とされています。
  • CTコロノグラフィ:推奨間隔は5年ごと。画像で大腸を評価する検査で、陽性時には大腸内視鏡検査が必要です。
  • 柔軟S状結腸鏡検査:推奨間隔は5年ごと。主に直腸からS状結腸を観察しますが、大腸全体は評価できません。

検査ごとの考え方

便を用いる検査は、自宅で実施できるため受けやすいという利点があります。FITや高感度グアヤック便潜血検査は、便に混ざった目に見えない血液を調べる検査です。毎年きちんと繰り返すことで効果が期待されます。便中DNA検査や便中RNA検査は、血液の情報に加えて、がんや前がん病変に関連する分子マーカーを調べる検査で、3年ごとの検査として位置づけられています。

大腸内視鏡検査は、大腸の粘膜を直接観察ができ、必要に応じて同時にポリープを切除できる点が大きな強みです。検査前の下剤服用や当日の時間的負担はありますが、前がん病変を見つけて取り除くという意味では非常に重要な検査です。CTコロノグラフィや柔軟S状結腸鏡検査も選択肢ですが、異常が見つかった場合には、最終的に大腸内視鏡検査が必要になります。

血液検査は「第一選択」ではない

今回の更新で注目されるのが、血液を用いた大腸がん検診です。血液検査は医療機関で採血するだけで受けられるため、便の採取や内視鏡検査に抵抗がある人にとっては受け入れやすい方法です。検診をまったく受けていない人にとって、採血だけで始められる検査は、受診のきっかけになる可能性があります。しかしACSは、血液検査を現時点で第一選択の検診法とは位置づけていません。

理由は、血液検査では進行前がん病変やステージIの早期大腸がんを見つける力が、便検査や内視鏡検査に比べて低いと考えられているためです。大腸がん検診で最も大きな利益の一つは、がんになる前の病変を発見して切除し、将来の発症を防ぐことです。血液検査は受けやすい一方で、この「予防」の面では限界があります。そのため、現時点では、便検査や内視鏡検査を勧めても受けない人、または完了できない人に対する補助的な選択肢と考えるのが適切です。

また、血液検査で陽性になった場合も、便検査と同じく大腸内視鏡検査が必要です。血液検査を「内視鏡を避けるための検査」と誤解しないことが大切です。陽性後に内視鏡検査を受けなければ、検診としての効果は十分に得られません。

陽性なら必ず大腸内視鏡検査へ

便検査や血液検査で陽性となった場合、それだけで診断が確定するわけではありません。陽性とは、「大腸にがんやポリープなどの病変がある可能性があるため、詳しく調べる必要がある」という意味です。検診を完了するには、原因を確認するための大腸内視鏡検査が必要です。ACSは、陽性結果が出た場合には、できれば6か月以内に大腸内視鏡検査を受けることを強調しています。

陽性後に同じ便検査や血液検査をもう一度行って陰性だったとしても、最初の陽性結果を打ち消すことにはなりません。大切なのは、陽性結果を見逃さず、診断のための内視鏡検査につなげることです。検診は「検査を受けること」だけでなく、「陽性時に精密検査まで完了すること」で初めて意味を持ちます。

「最もよい検査」は、きちんと受けられる検査

大腸がん検診には複数の方法があります。大腸内視鏡検査は非常に有用ですが、準備や時間の負担、検査への不安から受けにくい人もいます。一方、便検査は自宅でできる利点があり、血液検査は採血だけで済むという手軽さがあります。ACSは、患者さんが検査の特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが、検診参加率を高めるうえで重要だとしています。

受診時に相談したいポイント

  • 自分は平均リスクなのか、それとも家族歴や既往歴から高リスクに当たるのか。
  • 便検査、内視鏡検査、画像検査、血液検査のうち、どれが自分に合っているか。
  • 検査で陽性になった場合、どの医療機関で、いつ大腸内視鏡検査を受けられるか。
  • 検査費用や保険適用、検査前の準備、仕事や生活への影響はどの程度か。
  • 一度検査を受けた後、次回はいつ受けるべきか。

ただし、「受けやすい検査」と「がん予防効果が高い検査」は必ずしも同じではありません。とくに血液検査を選ぶ場合には、前がん病変や早期がんを見つける力に限界があること、陽性時には大腸内視鏡が必要であることを理解しておく必要があります。

まとめ

2026年のACSガイドライン更新は、大腸がん検診の選択肢が広がったことを示しています。新しい便中RNA検査や次世代便中DNA検査は、在宅で行える有力な選択肢として位置づけられました。一方、血液検査は採血だけで済む受けやすい方法ですが、現時点では第一選択ではなく、便検査や内視鏡検査を受けない人のための補助的な選択肢と考えられます。検査を選ぶうえで最も重要なのは、適切な間隔で継続し、陽性時には大腸内視鏡検査まで確実につなげることです。このコラムの内容はあくまでも米国でのガイドラインの推奨の内容であり、日本のように保険医療制度が整った環境では一概に全て当てはまるわけではありません。医療者と相談しながら、自分に合った方法を選ぶことが、大腸がんによる死亡を減らすための現実的な第一歩になります。

皆さんへのメッセージ

当院では、大腸がん検診としての便潜血検査をはじめ、大腸内視鏡検査を受け付けています。大腸内視鏡検査は土曜日も含め、診察日すべてで受けることが可能です。鎮静剤を使った安心安全で緊張の無い検査を実施しており、日帰りで大腸ポリープ切除も可能です。池田市をはじめとして、箕面市、豊中市、豊能郡、川西市と各所からご来院いただいています。院長は、日本消化器内視鏡学会認定の消化器内視鏡専門医かつ指導医ですので、ご安心ください。

些細なことでも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。

  1. 「Colorectal cancer screening: An update to the American Cancer Society guideline, 2026」 Andrew MDW, et al. CA Cancer J Clin. 2026; e70083.

の記事を監修した医師

たむら内科・消化器内視鏡クリニック院長

田村 耕一

和歌山県立医科大学医学部卒業。同大学附属病院をはじめ、関連基幹病院にて勤務し、消化器外科手術や消化器内視鏡検査、抗がん剤治療などに精通している。また、筆頭著者として多数の英語論文の執筆歴があり、消化器がんの早期診断と治療を含めた啓発活動にも重要性を見出だしている。2024年11月より大阪府池田市でたむら内科・消化器内視鏡クリニック院長として北摂を中心とした地域医療と内視鏡検査の普及にも注力している。

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