2026年9月02日

大腸がんは、早期に見つけられたら治療成績がよく、検診によって予防にもつなげられる代表的ながんの一つです。米国がん協会(ACS)は2026年、大腸がん検診に関するガイドラインを更新し、平均的なリスクのある成人では45歳から検診を始めるという方針をあらためて示しました1)。第1回のコラムでは、なぜ45歳からの検診が重要なのか、誰が対象になるのか、何歳まで続けるべきなのかを中心に整理します。
なぜ45歳からの検診が重要なのか
米国では、大腸がんの罹患率や死亡率は長期的には低下してきました。これは、検診の普及、ポリープ切除による予防、治療法全般の進歩が寄与していると考えられています。一方で、近年は65歳未満、とくに50歳未満の成人で大腸がんが増えていることが問題になっています。こうした背景から、ACSは2018年に平均リスク成人の検診開始年齢を50歳から45歳へ引き下げました。2026年の更新でも、この45歳開始の推奨は維持されています。
大腸がん検診の目的は、がんを早期に発見することだけではありません。大腸腺腫や鋸歯状病変など、がんになる前段階の病変を見つけて切除することで、将来の大腸がんそのものを防ぐことも大きな目的です。そのため、検査を選ぶときには「受けやすいか」だけではなく、「早期がんを見つけられるか」「前がん病変を見つけられるか」「陽性時に確実に大腸内視鏡へつなげられるか」「前がん病変を適切に切除できるか」を考える必要があります。
2026年米国のガイドラインの主な推奨
- 平均的なリスクの成人は、45歳から定期的に大腸がん検診を受ける。
- 健康状態がよく、余命が10年以上見込まれる場合は75歳まで検診を続ける。
- 76〜85歳では、本人の希望、健康状態、余命、過去の検診歴を踏まえて個別に判断する。
- 便検査や血液検査など、大腸内視鏡以外の検査で陽性となった場合は、検診を完了するために大腸内視鏡検査が必要となる。
ここでいう「平均的なリスク」とは、過去に大腸がんや大腸ポリープを指摘されたことがなく、炎症性腸疾患や遺伝性大腸がん症候群がなく、若年で大腸がんを発症した近親者がいない人を主に指します。これらに当てはまる場合は、通常の検診ではなく、より早期からまたはより短い間隔での検査が必要になることがあります。
まとめ
大腸がん検診は、症状が出てから受ける検査ではなく、症状がない段階で病気を見つけ、将来のがんを防ぐための取り組みです。とくに平均リスクの成人では、45歳を一つの節目として検診を始めることが重要です。ただし、家族歴や過去のポリープ、炎症性腸疾患などがある場合は、一般的な検診とは別に医師と相談して検査時期や方法を決める必要があります。
皆さんへのメッセージ
当院では、大腸がん検診としての便潜血検査をはじめ、大腸内視鏡検査を受け付けています。大腸内視鏡検査は土曜日も含め、診察日すべてで受けることが可能です。鎮静剤を使った安心安全で緊張の無い検査を実施しており、日帰りで大腸ポリープ切除も可能です。池田市をはじめとして、箕面市、豊中市、豊能郡、川西市と各所からご来院いただいています。院長は、日本消化器内視鏡学会認定の消化器内視鏡専門医かつ指導医ですので、ご安心ください。
些細なことでも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。
- 「Colorectal cancer screening: An update to the American Cancer Society guideline, 2026」 Andrew MDW, et al. CA Cancer J Clin. 2026; e70083.
この記事を監修した医師

たむら内科・消化器内視鏡クリニック院長
田村 耕一
和歌山県立医科大学医学部卒業。同大学附属病院をはじめ、関連基幹病院にて勤務し、消化器外科手術や消化器内視鏡検査、抗がん剤治療などに精通している。また、筆頭著者として多数の英語論文の執筆歴があり、消化器がんの早期診断と治療を含めた啓発活動にも重要性を見出だしている。2024年11月より大阪府池田市でたむら内科・消化器内視鏡クリニック院長として北摂を中心とした地域医療と内視鏡検査の普及にも注力している。
