2026年8月26日
成分・期待できること・副作用を患者さん向けにやさしく解説

まず知っておきたいポイント:「にんにく注射」は正式な薬の名前ではなく、一般にビタミンB1またはその誘導体を中心とした注射の通称です。本物のにんにくが入っているわけではありません。
なぜ「にんにく」と呼ばれるの?
製剤に含まれる成分の影響で、注射中に本人が鼻や口の奥で、にんにくに似たにおいを一時的に感じることがあります。通常は長く続かず、にんにくを食べた後のような口臭や体臭を伴うことはありません。
ビタミンB1の働き
ビタミンB1は、食事に含まれる糖質などから体を動かすエネルギーをつくる過程を助ける栄養素です。不足すると、だるさ、食欲低下、筋力低下、手足のしびれなどが現れることがあります。食事量が少ない、アルコールを多く飲んだ後、栄養吸収に問題があるなど、欠乏のリスクがある方では、医師の判断で補充が役立つ場合があります。
疲労回復には必ず効く?
ビタミンB1不足が疲労の一因であれば、補充によって改善が期待できます。一方、ビタミンB1が不足していない方の一般的な疲労に対して、注射の効果が一律に保証されているわけではありません。感じ方や効果の持続時間には個人差があり、睡眠不足、貧血、甲状腺の病気、感染症、こころの不調など、別の原因が隠れていることもあります。
受ける前に確認したいこと
- 成分と投与方法:医療機関によって配合や投与量、静脈注射・点滴・筋肉注射などが異なります。
- 期待できることと限界:目的に合うか、医師の説明を受けましょう。
- 費用:健康増進や疲労回復を目的とする場合は、自由診療となることが一般的です。
- 体調と既往歴:薬のアレルギー、持病、妊娠・授乳の可能性、服用中の薬を事前に伝えてください。
副作用と注射に伴うリスク
注射部位の痛み、赤み、腫れ、内出血、血管痛、発疹、かゆみ、吐き気などがみられることがあります。また、頻度は不明ですが、血圧低下、胸の苦しさ、呼吸困難などを伴うショックが報告されています。注射中や注射後に異常を感じたら、すぐに医療スタッフへ伝えてください。
こんなときは、注射を繰り返す前に受診を
十分に休んでも強い疲れが続く、体重減少、発熱、息切れ、動悸、むくみ、しびれ、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、自己判断で注射を続けず、原因を調べるために医療機関へ相談しましょう。
まとめ
にんにく注射は、主にビタミンB1を補う医療行為です。欠乏がある場合には意義がありますが、すべての疲労に効く万能な治療ではありません。成分、期待できる効果、リスク、費用を確認し、医師と相談して選びましょう。
当院では院長の監修のもと、ビタミンB1、B6、B12を配合したにんにく注射を準備しています。体力が消耗しているとき、夏バテや風邪の後で体力が低下しているときには実感しやすいと思います。ご興味がある方はお気軽に院長またはスタッフまでお問い合わせください。
参考情報
この記事を監修した医師

たむら内科・消化器内視鏡クリニック院長
田村 耕一
和歌山県立医科大学医学部卒業。同大学附属病院をはじめ、関連基幹病院にて勤務し、消化器外科手術や消化器内視鏡検査、抗がん剤治療などに精通している。また、筆頭著者として多数の英語論文の執筆歴があり、消化器がんの早期診断と治療を含めた啓発活動にも重要性を見出だしている。2024年11月より大阪府池田市でたむら内科・消化器内視鏡クリニック院長として北摂を中心とした地域医療と内視鏡検査の普及にも注力している。
