肛門診療
肛門診療
当院の肛門外科では、肛門疾患全般を診察します。私たちにとって、おしりの病気は身近なものですが、なかなか相談や診察が難しいものです。具体的には、三大肛門疾患といわれる痔核(いぼ痔)、裂肛(きれ痔)、痔瘻(あな痔)をはじめ、肛門周囲膿瘍、肛門周囲炎(肛門掻痒症)、(壊疽性)膿皮症、肛門ポリープ、便秘症、便失禁、直腸脱、尖圭コンジローマなど、数多くの病気が存在します。この中で、最もご相談の多い痔核では根治手術の他に「切らずに治す治療」も登場しており、ますます適切な治療を選択が必要です。
おしりの病気は、男女を問わず受診に抵抗がある方が多いかと思いますが、そのまま放置すると症状の悪化のみならず、他の病気の発見が遅れてしまう可能性もあります。当院では大腸や肛門の外科治療に精通した院長はもちろん、スタッフ一同で皆さまに寄り添って診療を行っています。痔やおしりの症状でお困りの方は、一人で悩まずにぜひお気軽にご相談ください。
痔や肛門疾患は、放置すると悪化して、治療が困難になることが多い病気です。気になる方は早めに受診して治療をはじめましょう。
肛門は、通常便が漏れないように括約筋(かつやくきん)の作用で閉じており、その内側にクッションとしての役割を担う静脈叢(じょうみゃくそう:毛細血管のかたまり)があります。痔核とは、排便時の強いいきみや日常生活中のおしりに負担をかける行動で血行が悪くなり、静脈叢がうっ血してこぶ状に拡張したものをいいます。痔核はいくつかある痔の中で最も多く、いぼ痔ともいわれます。直腸と肛門の境目(歯状線:しじょうせん)よりも上側にできるものを内痔核といい、下側の肛門(皮膚)にできるものを外痔核といいます。内痔核は、もともと肛門内にありますが病状悪化により大きくなり、出血したり、肛門外に脱出したりします。
便秘で肛門上皮(肛門出口の皮膚)が切れたり裂けたりして傷が残ったものを指し、「切れ痔」とも呼ばれます。排便時に出血や強い痛みを伴います。発症すぐの状態を急性裂肛、繰り返し傷がかたくなり、やがて潰瘍になってしまう状態を慢性裂肛といいます。慢性裂肛では痛みが持続し、傷の内側に肛門ポリープや外側の肛門皮膚に疣(いぼ)を形成することがあります。放置したままでは肛門がかたくなり出口が狭くなる肛門狭窄を起こすこともあります。女性に多く、20~40歳代の方も比較的いらっしゃいます。ご自身で裂肛であると自覚することが難しいこともありますので、気になる症状がある方はお気軽にお問い合わせください。
直腸と肛門の周りの皮膚にトンネル(瘻管)ができたものをいいます。「あな痔」とも呼ばれ、男性に多くみられます。肛門のまわりに膿がたまるものを肛門周囲膿瘍と呼び、その膿の通り道が痔瘻になることもあります。化膿の原因となる細菌が侵入する直腸側の穴を1次口(原発口)、膿が出ていく外側の肛門皮膚の出口を2次口といいます。痔瘻は、お薬や外用薬で治すことはできず、手術が必要となります。手術せずに長年放置してしまうと肛門に複雑な形を呈する痔瘻になってしまうことや、がん化(痔瘻がん)することもあります。痔瘻がんは一般の直腸・肛門のがんに比べて、悪性度が高いとされますので、痔瘻といわれたことがある方や気になる症状がある方は速やかにご相談ください。
問診
診察前にあらかじめ症状を問診票でお知らせください。また、服用中の薬があればお伝えください。
診察
問診票をもとに症状の確認を行い、当院スタッフが必ず同席のもと、横になりおしりの観察と必要に応じて指診をします。このとき、肛門鏡と呼ばれる金属製の筒を肛門に挿入して、肛門にできたしこりや直腸のポリープについても観察します。
女性の方は恥ずかしさなどから、なかなか診察を受ける機会がなく、症状がひどくなってから来院されることが多いのも事実です。女性は出産時に痔核が出現・悪化することも多いですから、油断は大敵です。当院ではおしりの診察で来院される女性のために受診しやすい環境を整えています。まずは肛門診察の際、当院の女性スタッフが同席のもと、腰にバスタオルなどをかけて恥ずかしいという気持ちの緩和に努めます。女性スタッフとともに声をかけながら診察を進めていきますので、ご安心して2~3分ほどの診察を受けてください。その後、パンフレットや写真をご覧になりながら、丁寧に説明を行います。お薬や外用薬で対応できる方が大半ですので、気になる症状がある方はお気軽にお問い合わせください。
当院には処置室に女性専用のトイレや更衣室を備えていますので、内痔核(いぼ痔)の日帰り手術を受けていただく際も安心です。詳細はホームページ内の日帰り手術のページまたは内痔核(いぼ痔)に対するジオン注射(ALTA療法)の説明および同意書をご参照ください。
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