2026年1月07日
はじめに
国民健康・栄養調査は、日本国内で実施される重要な公衆衛生調査であり、国民の健康状態や生活習慣、栄養摂取状況などを把握するための基礎資料となっています。2024年度の調査では、「糖尿病が強く疑われる人」の割合が増加していることが注目されています。
「糖尿病が強く疑われる人」とは
この調査における「糖尿病が強く疑われる人」とは、空腹時血糖値やHbA1c値(NGSP)が6.5%を超えている人、もしくは過去に糖尿病と診断されたことがある人を指します1)。また、定期的な健康診断により、これらの値が基準値を超えた場合は糖尿病の可能性があるとされています。
2024年調査の主な結果
- 糖尿病が強く疑われる人の割合は約1,100万人と推計され、特に40歳以上の男性で増加傾向がみられました。20歳以上での人口割合としては12.9%にのぼり、男性では17.7%、女性では9.3%にあたります。
- 生活習慣として運動不足(運動習慣の有無、1日の歩数などから算出し、30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している方を「運動習慣のある者」と定義)、不規則な食生活(栄養バランスがとれていない、食塩摂取量の不適正、野菜摂取量の不足、果物摂取量の不均衡など)、過度の飲酒(純アルコール摂取量が男性では40g/日以上、女性では20g/日以上を「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」と定義)などが糖尿病リスクの増加に関与していることが示唆されています。
- 糖尿病が疑われる人の多くは、肥満傾向(BMIが25以上)も認められました。
- 70歳以上の高齢者などで医療機関への受診や健康診断を定期的に受けていない人や食生活・生活習慣が乱れている人に、糖尿病リスクが高い可能性も読み取られました。
予防・対策の重要性
糖尿病は、早期発見と生活習慣の改善により進行を防ぐことが可能です。2024年調査でも、定期的な運動、バランスの良い食事、適切な体重管理の重要性が強調されています。初期には自覚症状に乏しく、進行も比較的緩徐とされるため、発見が遅れやすい傾向にあります。しかしながら、後天的な糖尿病とされる2型糖尿病において、典型的な症状ともいわれている
- 多食・多飲・多尿
- 全身の倦怠感や疲労感
- 視覚機能の変化
- 手足のしびれ
- 口の異常な渇きと口臭
- 感染症にかかりやすい
などがみられた場合には速やかな対応が必要です。
まとめ
2024年の国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる人」の割合や特徴が明らかになり、改めて個人または社会全体として意識を高めるきっかけを提起されました。今後も生活習慣の改善や早期発見を通じて、糖尿病予防に取り組むことが重要ですので、心当たりのある方は当院まで、お気軽にお問い合わせください。
たむら内科・消化器内視鏡クリニック
田村耕一
