2024年12月30日
現在の主流は「pdm09型」、どんなタイプ?
師走に入り、年の瀬に向かうにつれて、全国でインフルエンザの感染拡大が起きています。大阪府内においても、インフルエンザ陽性患者数が12月中旬~下旬に倍増しています。今シーズン流行しているのは、「インフルエンザA pdm09型」というタイプです。
大阪府内で陽性患者数が前週の2倍になっています!
大阪府感染症情報センターが公表したデータです。
インフルエンザ定点当たりの患者数
大阪府内総計:21.64名(令和6年12月9日~15日)→45.75名(令和6年12月16日~22日)⇒約2.1倍
当クリニックのある池田市も急増しています。
豊能地域:18.97名(令和6年12月9日~15日)→39.76名(令和6年12月16日~22日)⇒約2.1倍
―最近の感染患者数は?
12月下旬に入って、当クリニックでも発熱・有症状患者さんの受診依頼は前週と比較して、倍以上になっています。学校で流行して感染したと思われる学童期のお子さんからそのご家族、忘年会シーズンに入って「ノーマスク交流」で感染したと思われる方など様々です。
―今シーズンのインフルエンザのタイプは?
現在の主流と考えられるインフルエンザは、「インフルエンザA(H1N1)pdm09型」とされています。これは、2009年にパンデミック(pandemic)となったインフルエンザA(H1N1)の型で、2009年から「09」とパンデミックの略称から「pdm」を組み合わせたものが名前の由来です。2009年当時は「新型インフルエンザA(H1N1)型」とされていましたが、流行が繰り返されたことで、季節性インフルエンザの一亜型となりました。
―感染力が強いといわれていますが。
「インフルエンザA(H1N1)pdm09型」の特徴は感染力が強いということに尽きます。実際に誰かひとりが感染すると、瞬く間に家族全員が感染してしまうケースが散見されます。 主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる感染(飛沫感染)です。しかし、物の表面などに付着したウイルス飛沫を手指で触れることによる接触感染もあります。症状としては、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などではじまり、徐々に鼻汁や咳などの呼吸器症状が続くとされます。通常の感冒に比べて全身症状が強いことが特徴ですが、通常は約1週間前後の経過で軽快します。症状のみでは、現在も発症者がみられる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との鑑別は困難です。
―年末年始にかけての予防法は?
効果的な予防方法は「正しいマスクの着用」と「まめな手洗い」です。正しい不織布マスクの着用はウイルス飛沫の飛散を約5分の1に減らすことができ、気道への吸い込みも約4分の1に減らすことができます。手洗いのポイントはなるべく石鹸なども使いながら、丁寧に洗うことです。手荒れはウイルスや細菌が手指に付着しやすくなるため、保湿にも心配りを行いましょう。
―当クリニックでの診療は?
院内の感染対策は徹底していますが、発熱・有症状患者さんの待合での「密」には留意しています。なお、他院で受診できなかった親子さんの受診もできる限り受け入れていますから、ご安心ください。当クリニックホームページの「お知らせ」にも記載している通り、事前にお電話(072-762-1100)をいただけますとスムーズに受診いただけます。
当クリニックはしっかりとした問診から胸部の聴診を行い、必要に応じて、インフルエンザ抗原検査と胸部レントゲン検査を実施します。また、富士フイルム社の新しいメディカルAI技術「REiLI(レイリ)」による自動解析を診断支援として活用しています。皆さんにもすぐにご覧いただけるため、安心感に繋がると好評です。
お身体に不調、ご不安がある方はお気軽にお問い合わせください。
たむら内科・消化器内視鏡クリニック
田村耕一